morgenrotの山と花の創作版画

第1回
(2003/09/09 UP!)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています



安曇野の風景 安曇野の風景(2003年8月制作)

初めて安曇野の路々を踏んだとき、少年時代以来久しぶりに、すそ野から遠くの山々をのんびりと眺めることができた。

春は残雪に覆われた常念岳と横通岳が正面に座り、夏は爺、鹿島槍ヶ岳の双耳峰の彼方に雷雲が沸き立つ。
秋は道祖神とコスモスの間に蝶が舞い、冬は白く化粧をした田圃を肌を刺すような風が吹きわたるーーー見も知らぬ旅人の私に丁寧に投げかけてくれる挨拶の言葉に、豊かな自然にはぐくまれた"情"を感じた。

しかし、縦走の帰途に乗ったタクシーの運転手が言ったことがある。
「用水路はコンクリートで囲われ、山奥の林道も鋪装が進んだ。小川の小魚がいなくなり、道端の花も少なくなってしまった。車は走りやすいし、便利にはなったんだけどねー」

安曇野からも"日本の原風景"が消えつつあるのは、寂しいことだ。





レンゲショウマ レンゲショウマ(2003年6月製作)

夏、河口湖側の天下茶屋からカラマツの木陰を三ッ峠山に向かう。

三ッ峠山というと岩登りの練習場という印象が強いが、意外に花が多い。
テンニンソウの黄色、サラシナショウマの白の穂先から別れてしばらくすると、レンゲショウマの姿が見えた。

2、3株が寄りそうように咲き、少し離れてまた2、3株・・・
すぐそばに咲いているオクモミジハグマにはアサキマダラやモンシロチョウが群れをなしていて、幻想的な世界に、汗もいつのまにか引いていた。

レンゲショウマは日本固有種で、分布は奈良から福島にかけての太平洋型気候に限られている。
しかしこの花も盗掘によってその数を減らしているらしい。

山の花は、山においてこそ美しいものである。


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morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

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