morgenrotの山と花の創作版画

第2回
(2003/09/25更新)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています
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シラネアオイ <新作>

シラネアオイ(2003年9月制作)

タカネスミレを求めて残雪の秋田駒ヶ岳に登った時のこと。
横岳への登りで薄紫色の花が目に飛び込んだ。シラネアオイだった。

いかにも日本の固有種らしい、優雅で神秘的なたたずまいで、木立の奥にそっと咲いている。

花名の由来となっている日光白根山では、まだお目にかかったことがない。
秋にしか登っていないので当然だが、これまでの群生地だった弥陀ヶ池は、盗掘と鹿の食害でほぼ全滅、隣の五色沼から種を蒔いて復元を図っているという。

版画では、原産地に敬意を表して、背景に日光白根山を配した。






ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ(2001年11月制作)

山道を歩いていると、草むらの中に、宝石のように青く輝く小さな花を見つけた。

八甲田山の地獄沢を抜けて仙人岱に近付くと、ちらほらとミヤマリンドウが花を見せはじめる。先ほどまで遠くそびえていた岩木山は、稜線の陰に隠れてしまった。

八甲田清水はもうすぐ。この湧き水で飲むウィスキーの水割りは格別だが、難は目の前の大岳に登るのが嫌になることである。



版画は、メッセージカードを意識して文字スペースをとり、リンドウの遠くに岩木山を入れて図案化した。





剣岳 剣岳(2003年3月制作)

秋の表銀座。
縦走路の雪は日陰に残っているだけだ。行けども行けども左手に槍ヶ岳がそびえ、後ろには燕岳が白く光っている。

中房の登山口から9時間かかって大天荘着。先客は4、5人程度だ。
さいわい、この山小屋で満員に出くわしたことはない。ある嵐の日など、客は私一人だった(そんな時に登るバカはいないということだ)。

翌朝は、寒さに震えながらご来光を待つ。
本当にゆっくりと、白い空が赤みを帯び、もやが流れ、剣の稜線がはっきりしてきた。

山の誕生ーーー古の人々も、こうした場面から天地創造を連想して、旧約聖書や古事記に残したのだろうか。



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morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

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