グリとの出会いは1996年9月、当時、私"わらぼっち"が働いていた動物園に、捨て猫として保護されたのがきっかけ。 小さいのに元気いっぱいで、狭い事務所の中を駆け回っていた。その姿を見ていたら、今まで猫を飼ったこともないというのに、熱にうかされたように「私が飼います」と口にしていた・・・ そんな私に飼われたグリだから、子猫時代は「幸せ」だったとは言い難い。 我が家にやってきて何日かたった頃、グリに怖い思いをさせ、発作を起こさせてしまったのだ。 腰が抜けたままのグリを病院に連れていくと、「元々この猫には"てんかん"があり、その発作が起こった」との診断。さらには「大人になっても歩けないかもしれない」とまで言われてしまった。 それでもグリが元々持っていた生命力は強くて、後ろ足も徐々によくなり、走ったり飛び跳ねたりは出来ないものの、歩けるまでには快復。 その後はより環境のいい、私の実家で飼ってもらうことになった。 ※左上は餌を待って恨めしそうなグリ(2004年6月)。 右は大好きなビニール袋の中で(1998年3月・当時1歳半)。 |
実家では、天気がよければベランダに出たり、気が向いたら各部屋を探検したり、毎日幸せにすごしていたグリ。 大きくなっても大変な甘えん坊で、家族がでかけると、玄関の見える位置にずーっと座って帰りを待っている。そして帰ってきたときには大騒ぎ。 なでてもらうのが大好きで、かまってほしい時には「ニャッ」と鳴いて人を呼んだりする。 食欲がない時に母があげたアユがとってもおいしかったようで、その後は毎日のように川魚を焼いて、食べさせてもらっていたらしい(冬の間はニジマス、夏になるとアユ。グリが最後に口にしたのも、アユだったと聞いた)。 ただやはり、子供の頃の発作のせいで骨盤の発達が悪くて、年を重ねるごとに便がでにくくなってきていた。 今さら仕方のないことなのだけれど、「あの時あんな思いをさせていなければ・・・」と、何度後悔したかしれない。グリ、ごめん。 ※ベランダに出てちょっと不安げ(左上・1998年)。 寝ていたらお父さんがパジャマをかけてくれました(右下・撮影年月日不明)。 |
<左>グリを引き取ったばかりの頃。 顔が子熊みたいで、ravenが、「グリズリー」から「グリ」と命名。 <中>ravenに遊んでもらっているグリ。この頃はよく噛みついてきた。 <右>まだ発作を起こす前。机の上までよじ登り、探検中。 <左>ストーブの前でravenにブラッシングをしてもらって、いい気持ち。 <中>黒猫だけれど、おへその下と両脇の下が白いグリ。 <右>私が手を出したら、「ウルサイ!」と怒られた・・・ <左>新聞紙の下に潜り込むのが好き。 <中>いつしか寝ているときに、舌がチロッと出るように。ナゼ? <右>"おうち"にて。グリが大きくなって、"おうち"も一回り大きくなった。
子供の頃は他の猫を見ると失禁するくらい驚いていたのに、グリはこの猫がベランダにやってきたとき、自分からそちらの方へ近付いていったらしい。 出たいときに外に出て、あとは実家のみんなに甘えて楽しく過ごしているようだ。 <参考> 2005年1月7日の『安曇野菜園日記』 「くつろぐぶうちゃん」(2005年8月19日) 「台風の夜、猫は」(2005年8月26日) 「ぶうちゃん久しぶり」(2006年4月5日) |