morgenrotの山と花の創作版画

第10回
(2004/04/30更新)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

ミズバショウ(2001年7月制作)
ミズバショウ 歌にも歌われるように、「ミズバショウ」といえば「尾瀬」を連想しがちだけれど、近畿以北の湿原や山の湿地では普通に見られる花である。
しかも"夏がくる"と葉が大きく伸びて、"夢見て咲いて"いた白く可憐な面影は、どこにも残っていない。

ミズバショウは春の花ではないか。
豪雪地帯に多く、雪解けとともに咲きだす。
以前八幡平の雪の壁を通り抜け、小さな沼にさしかかった時、水面を埋め尽くすように咲いているのを見たことがある。
花柱を優しく包んだ白い仏炎苞が、雪に縁取られた水に映えてなかなか見応えがあった。

そして5月の末、朝まだ暗いうちに高速道路をとばす(何だかんだ言いながら、尾瀬にミズバショウを見にいくところが、凡人の凡人たるゆえんだ)。
竜宮十字路の近くの流れの中に、いくつかのミズバショウが咲いていた。
水中に没した花は、大きな貝殻のようにも見える。
またその岸辺にも、至仏山をバックにこちらを向き、何本かが口を開けている。
その姿は、なんだか"あの歌"でも歌っているかのようにも見えた。



至仏山(2003年7月制作)
至仏山 早朝の尾瀬ヶ原はまだ静かだった。
山ノ鼻から至仏山に上るルートはあと1ヶ月もたたないと解禁にならず、時期的にも、ハイカーが押し寄せるには早い。

木道を竜宮十字路まで進む。
正面に燧ヶ岳が逆光の中にシルエットとなって浮かぶ。
振り返ると、まだ雪を残した至仏山。
いかつい燧に優しい至仏・・・「厳父」と「慈母」のたとえは、誰もが頷くところである。

今でこそ山ノ鼻から至仏山頂のルートは冬の間だけの通行止めだが、1990年から1997年までの8年間は、利用さえできなかった。

至仏山は蛇紋岩のため、滑りやすい。そのため登山者はルートを外れ、草付きのところを歩く・・・こうして、貴重な高山植物が踏み荒らされた。
登山者が自分で自分の首をしめた、いい例だ。
今では急坂には階段が取り付けられ、また8年間の「休養」の間に、なんとか高山植物も復元してきた。 一登山者としては、再び通行禁止にならないよう、心して歩きたいものである。

(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

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morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

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