morgenrotの山と花の創作版画

第11回
(2004/06/30更新)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

<新作> クロマメノキ(2004年3月制作)
クロマメノキ その日はたまたま体調がよかったのだろう。

あの北アルプスでも急登で名を馳せるブナ立尾根の登りも、さして苦にはならなかった。
樹林帯を抜けると、ミヤマキンポウゲが宿の仲居さんよろしく出迎えてくれ、稜線の向こうに巨岩を積み重ねた烏帽子岳がそびえている。

地下水が豊富なのか花が多い。
イワギキョウ、その間にコマクサ、クモマスミレと、高山植物が次々に顔を出す。
登りがどんなにつらい時でも、こうした花々に出会えると疲れも飛んでいくものだ。

ハイマツの切れ目には、可愛い白い花がいくつものぞいている・・・クロマメノキだった。
以前四阿山へ登った時に、中腹で籠をかついだ女性達が懸命に何かを摘んでいた。
そばに行くと、「山のブドウだよ」とのこと。そんなクロマメノキの花を見たのは初めてである。四阿山をはじめ浅間山周辺に多いので、「アサマブドウ」ともいうそうだ。

今は同じ仲間のブルーベリーがもてはやされているが、クロマメノキは、花も実も味がある。



常念岳(2002年7月制作)
常念岳 常念岳は不思議な山だと思う。
松本盆地から見るとなんとも端正で、しかも堂々と周囲を圧倒し、まさに安曇野のシンボルにふさわしい山である。

常念山系を縦走して、大天井から常念岳を眺めると、横通岳が邪魔をしてよく見えない。
蝶ヶ岳からふり返ると、前常念が東に張り出してどうにも間延びした印象だ。
槍ヶ岳から見ると左肩が張ってすっきりしないし、穂高岳からだと小さくまとまりすぎる。

やはり、この山は安曇野から見上げるのが一番美しいといえる。

とくに盆地が朝、あるいは夕に霞に隠れ、常念岳がその向こうにすっくと浮かび上るとき、しばしその偉容に圧倒されるのであった。

(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

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morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

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