morgenrotの山と花の創作版画

第18回
(2005/06/07更新)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)

(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

<新作> 赤薙山(2005年3月制作)
赤薙山

日光連山の東のはずれに、ひときわいかつい山がある。
「赤薙山」だ。
頂上から女峰山へ続く途中には「大鹿落とし」といわれる崖の崩れがあって、こうした崩れを「ナギ」といい、山名となった。ちなみに南アルプスの静岡側には「青薙山」もある。

ある日赤薙山からの帰り、霧降高原道路を走っていると、左手の森から数匹の鹿が目の前に飛び出してきた。
急ブレーキをかけたが間に合わず、1匹が正面衝突、ヨロメキながら反対側の森に駆け込んでいった。

我が愛車もライトが壊れ、ボンネットが惨めに曲がってめくれあがっている。警察では「鹿が増え過ぎて・・」と慰めてくれたが、どうもすっきりしない。

鹿は戦後の保護政策と暖冬で、今ではエゾシカを含め、日本に百万頭近くが生息すると推定されている。

直接の食害ばかりか、奥多摩や丹沢では裸地化のため土壌が流出し始めた。
99年に鳥獣保護法が緩和され、03年までに24都道府県が頭数調整に乗り出している。

しかし、減れば保護、増えれば駆除、そんな対策ばかりでいいのだろうか。
もちろん山が崩れたり、高山植物が見られなくなるのは御免だが(もちろん車との衝突も)、どうにも割り切れない。



ミヤマオダマキ(2000年11月制作)
ミヤマオダマキ

春が終わりかけようとする頃、庭の鉢に青紫のオダマキが咲く。ミヤマオダマキにそっくりだが、山から持ってきたものではない。園芸品種に改良されたものである。

利尻島の町を歩いていたとき、庭にズラリと植わったオダマキをよく見かけたけれど、あれは園芸品種だったのだろうか。

ミヤマオダマキの基準標本は利尻・礼文島のものであり、ここでは低地でも林の中や岩礫地に入るといくらでも目にすることができるのである。

とはいえ私はヘソ曲がりなので、やたらに多いとありがたみを感じなくなる。
へとへとになって岩をはいずっているとき目の前に現れた数輪の青紫の花に、感激するたちなのだ。

ところで「オダマキ(苧環)」の花名の由来はなんだろう。
いつも「ダテマキ(伊達巻)」を連想するが、当然関係はないと思う。

※わらぼっち追記 :「オダマキとは昔、麻糸を巻いた管のことで、距の立った花の形がこれに似ている」ことから名付けられた(「」部分、『山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花』(山と渓谷社)より引用)。

(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

前回の版画へ
過去の版画目次へ
第19回へ
『安曇野麦わら帽子通信』タイトル画面へ

ご意見、ご感想をお寄せ下さい。 メール・掲示板へは、 こちらから


morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

(c)2003-2012 warabocchi/raven/morgenrot