morgenrotの山と花の創作版画

第7回
(2004/02/01更新)

個展案内表

2007年4月27日(金)〜5月8日(火)、長野県松本市でmorgenrotの個展が開催されます。

版画の販売も行いますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

<5月末日 追記>

おかげさまで、個展は無事に終了しました。
どうもありがとうございました!




自分で撮った写真をもとに下絵をおこし、彫りから刷りまで一人でやる、創作版画です(実物はハガキ大)


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています


セツブンソウ セツブンソウ(2001年3月制作)

春まだ浅い頃、秩父の両神山に向かうと、雪を羽織った落ち葉の間から、雪の妖精のような清楚な花が顔を出している。
容姿も花名も、二十四節気の春にいかにもふさわしい、セツブンソウだ。
石灰岩地が好きなこの花は、五輪、八輪・・とかたまり群生している。

ただ、悲しいのは、登山口の堂上地区に"セツブンソウ自生地"なるものが設けられ、入園料を払って、柵ごしにこの花を観賞するようになったこと。
乱伐、盗掘のツケだ。 いずれ高山植物は全てレッドデータブックに載って、柵ごしでなくては見られなくなるだろう。

更に、この堂上を通って両神山に登る白井差の登山口が閉鎖された。
これまで地主の方が手弁当で管理されていたのだが、トイレや登山道の整備に加え、税金の問題などもあるらしい。
国立公園でも私有地が多い日本だけに、行政の自然に対する理解と援助をこよなく望みたい。





五竜岳 五竜岳(2003年5月制作)

北アルプスのど真ん中を歩いていると、白馬岳や鹿島槍ヶ岳より背の低い五竜岳は、ともすると山並みのコブのようで見落としがちだ。
しかし、じっくり見ているとそのコブは隆々として盛り上がり、両脇の優山をおさえて踏ん張っている。

昔は餓鬼ヶ岳と呼ばれ、立山(りゅうざん)に対して後立山(ごりゅうざん)となり、明治になって「五竜」の字があてられたというが、まさにこの山にピッタリの名だ。

五竜岳の絵は、何枚も描いた。
これと全く同じ版画も制作したが、その出来上がりが気に入らず、版木はボツ。今はコップの下敷きになっている。
理由は簡単、稜線にカーブを入れたことだ。

五竜岳にカーブは似合わない。
岩と岩との積み重なりであり、直線の集合である。
彫り直し、刷り直したのがこの五竜岳で、拙い作品の中では、山への思いとともに気に入っている版画の一つである。


(c)2009 morgenrot 全ての版画・テキストの無断複製・転載は固くお断りしています

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morgenrot=モルゲンロートとは・・・
山用語では特に、雪山が朝日をあびて朱色に染まることを、こういうようです。
登山が趣味なので、そこから
ペンネームをとりました。

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